韓国の時代劇を観ていると、「世宗大王」「英祖」「光海君」など、王様たちの名前がたびたび登場しますよね。
でも、それぞれの王がどんな人物だったのか、実際にはあまり知られていないことも多いかもしれません。
この記事では、ドラマによく登場する「李氏朝鮮」の歴代王たちを、実際の在位期間とともにご紹介します。登場した主な作品名も一覧にしているので、「この王様、どこかで見た気がする…」という疑問がある方にも、きっとお役に立てるはずです。
ドラマをより深く楽しむための歴史ガイドとして、ぜひ最後までご覧ください。
李氏朝鮮とは?500年続いた儒教国家
韓国時代劇の舞台としてたびたび登場する「李氏朝鮮(りしちょうせん/이씨 조선)」は、1392年に建国された朝鮮王朝のことを指します。初代王・太祖(イ・ソンゲ)から始まり、最終王・純宗(スンジョン)まで約500年にわたって続いた王朝です。
政治体制としては「君主制」ですが、中国の明や清の影響を強く受け、儒教(特に朱子学)を国の基盤とした厳格な社会構造を持っていたのが大きな特徴です。
そのため、王権を巡る争いや儒教的な価値観に基づいた人間関係・道徳観が、ドラマの中でもしばしば描かれます。
歴代王と登場ドラマ一覧(代表例)
王命 | 在位年 | 主な登場ドラマ |
---|---|---|
太祖 / 태조(イ・ソンゲ / 이성계) | 1392–1398 | 六龍が飛ぶ、鄭道伝 |
太宗 / 태종(イ・バンウォン / 이방원) | 1400–1418 | 六龍が飛ぶ、龍の涙、イニョプの道 |
世宗 / 세종(イ・ド / 이도) | 1418–1450 | 大王世宗、根の深い木 |
世祖 / 세조(イ・ユ / 이유) | 1455–1468 | 王と私、インス大妃 |
成宗 / 성종(イ・ヒョル / 이혈 | 1469–1494 | 王と私、七日の王妃 |
中宗 / 중종(イ・ヨク / 이역) | 1506–1544 | 宮廷女官チャングムの誓い、ファン・ジニ |
宣祖 / 선조(イ・ヨン / 이연) | 1567–1608 | ホジュン、不滅の李舜臣、王の顔 |
光海君 / 광해군(イ・ホン / 이혼) | 1608–1623 | 王になった男、ポッサム |
仁祖 / 인조(イ・ジョン / 이종) | 1623–1649 | 馬医、華政、恋人 |
孝宗 / 효종(イ・ホ / 이호) | 1649–1659 | 推奴、花たちの戦い宮廷残酷史 |
粛宗 / 숙종(イ・スン / 이순) | 1674–1720 | トンイ、張禧嬪、イニョン王妃の男、ヘチ |
英祖 / 영조(イ・グム / 이금) | 1724–1776 | トンイ、秘密の扉、赤い月、テバク、赤い袖先 |
正祖 / 정조(イ・サン / 이산) | 1776–1800 | イ・サン、秘密の扉、ペク・ドンス |
※上記は代表例です。時代設定に基づく描写や脚色の有無は作品により異なります。
後々にドラマタイトルの追加を行います~!乞うご期待!
王ごとの人物像とドラマでの描かれ方
ドラマでは、それぞれの王が持つ「歴史上のイメージ」や「政治的背景」によって、多様な演出がなされています。ここでは、よく登場する王たちをピックアップして紹介します。
世宗(セジョン)|ハングル創製の名君
ハングル(訓民正音)を作ったことで有名な王。ドラマ『大王世宗』では知的で温厚な理想の君主として描かれています。一方、『根の深い木』では、改革に葛藤する人間味のある姿が強調されていました。
中宗(チュンジョン)|静かなる改革者
中宗の時代には官僚による政治(士林派)が進みました。『チャングム』では王というよりも、女官たちに理解を示す上司的な存在として描かれ、主人公の成長を支える背景役として好印象です。
光海君(クァンヘグン)|評価の分かれる王
父・宣祖から王位を継いだが、王朝内では「廃位された王」として記録された悲運の人物。『王になった男』では替え玉を使って政を行うというフィクションが話題に。『華政』では政治手腕に長けた冷静な王として描かれました。
英祖(ヨンジョ)・正祖(チョンジョ)|改革派の親子
英祖と正祖は、儒教体制の中で改革を進めた名君として知られています。
- 英祖:『トンイ』では、主人公の息子として幼少期から描かれる
- 正祖:『イ・サン』では、政治と恋、家族の間で揺れ動く“理想と現実の板挟み”がリアルに表現されている
ドラマから見る李氏朝鮮の魅力とは?
ドラマで描かれる李氏朝鮮の王たちは、歴史的事実をベースにしながらも、多くの場合「フィクション」を交えて視聴者の共感を呼ぶように構成されています。
- 時代背景の中で生きる“人間としての王”
- 権力争いに巻き込まれる哀しさと葛藤
- 正室・側室・臣下たちとの複雑な関係性
こうした点がドラマのストーリー性を高め、視聴者に「もっとこの王について知りたい」と思わせてくれるのです。
今後の展開と関連リンク
今後、本記事で紹介した王たちについては個別に記事を用意し、史実とドラマ描写をさらに深く掘り下げていく予定です。
たとえば:
- 世宗の改革とドラマに見る理想のリーダー像
- 光海君が“悪役”とされた理由とは?
- 正祖の改革と後継者問題のゆくえ
など、気になる方は「王と時代」カテゴリーをチェックしてみてください。
まとめ
李氏朝鮮は、韓国史劇に欠かせない舞台であり、王たちの物語は時代を超えて語り継がれています。ドラマを観るだけでなく、その背景にある歴史を知ることで、作品の楽しみ方が何倍にも広がるはずです。
今後も本ブログでは、王たちの人物像や史実のトリビアを交えて、やさしく本格的に解説していきます。